研究課題/領域番号 |
10640051
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研究機関 | 鳥羽商船高等専門学校 |
研究代表者 |
奥山 京 鳥羽商船高等専門学校, 一般教育, 助教授 (20177190)
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研究分担者 |
佐波 学 鳥羽商船高等専門学校, 講師 (10226029)
名城 紘昭 鳥羽商船高等専門学校, 教授 (40043252)
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キーワード | ADE群 / 初等ADE群 / T高部分群 / moho部分群 / almost-dinsc部分群 / 準純粋包をもつ部分群 / 高度行列 / 準基 |
研究概要 |
1998年の研究成果報告の中にも書きましたように、その中に少し間違いが発見されました。即ち、「各素数pに対して、そのpパートがseparableであるADE群は、そのpパートが巡回群の直和となる」ということです。これには反例があることがわかりました。 そこで、p群には基部分群がありますが、この概念を一般の無限アーベル群に拡張できることに気付きました。まず任意の無限アーベル群には基部分群が存在することを証明しました。ADE群Gの基部分群Lは初等ADE群になります。p群には、「すべての基部分群は同型である」というよく知られた定理がありますが、このADE群Gでも、やはりすべての基部分群は同型になることも証明しました。 従って、Torsion-Free Rank 1のADE群Gにも基部分群が存在しますが、それは初等ADE群ですから、1998年の研究成果を使うと、基部分群のmoho部分群、QT行列がそのままこの群Gのmoho部分群、QT行列になるから、Torsion-Free Rank 1のADE群に構造定理が与えられます。逆に、Torsion部分群T、Torsion-Free Rank 1の群Aと、各素数に対して、ある条件をもつ2行加算列の行列を与えると、群Tが最大ねじれ群となり、群Aがmoho部分群となり、その行列をQT行列にもつADE群が存在するということもわかりました。これが存在定理です。 Torsion-Free Rank 1のADE群の分類には、準基の概念が使えることに気付き、それを使ってそのようなADE群を分類しました。「Torsion-Free Rank 1の加算濃度の群は、その最大ねじれ部分群とその群の高度行列によって決まる」という有名な定理がありますが、Torsion-Free Rank 1のADE群も同様のことがいえます。しかし必ずしも加算濃度ではないので、この結果は、この有名な定理の部分拡張であるといえるでしょう。
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