研究課題/領域番号 |
10640082
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
下村 克己 高知大学, 理学部, 助教授 (30206247)
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研究分担者 |
柳田 伸顕 茨城大学, 教育学部, 教授 (20130768)
吉村 善一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70047330)
逸見 豊 高知大学, 理学部, 教授 (70181477)
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キーワード | ホモトピー群 / 球面 / 有限複体 / スペクトラム / Adams-Novikov スペクトル系列 / Bousfield 局所化 / Jonson-Wilson スペクトラム / Morava K 理論 |
研究概要 |
本年度は昨年度の研究成果を基に更なる有限複体のホモトピー的性質を調べるために、下村はJohnson-WilsonスペクトラムE(2)に関したBousfield局所化L_2を施した有限スペクトラム、特に球面のホモトピー群について、5以上の素数については知られているので素数3の場合にL_2局所化された球面のホモトピーを決定した。この結果から研究実施計画で述べた2番目のMorava K-理論K(2)_*による局所化をした球面のホモトピー群π_*(L_<K(2)>S^0)の構造を決定出来た。この結果は素数3の場合にHopkinsのchromatic splitting予想の反例を与え、素数3では素数5以上の場合と状況がAdams-Novikovスペクトル系列のE_2-項のみでなく大きく異なっていることを示している。 逸見は非安定ホモトピー論の立場から有限複体の特別な場合のH-空間へのSteenrodのコホモロジー作用素について考察した。この結果から胞体同士の結びつきを与えるホモトピー群の元についてH-空間の場合の特徴づけが与えられた。 吉村は有限複体の複素K-群が自由群と一つの巡回群の直和を持つときのの擬似ホモロジー型を決定した。このような条件を持つ複体は擬似ホモロジー型の見地からはそれほど複雑な形をしていないことが分かった。 柳田は有限複体としてLie群を対象にして、その群構造がMoravaのK-理論によりよりよく反映されていることを示し、MoravaのK-理論のホモトピー論での有用性をさらに示した。
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