研究概要 |
1.多様体の同相群が完全(即ち、その交換子部分群と一致する)であることはEdwards-Kirbyの仕事を考え合わせるとAndersonらにより知られている。ここでは、葉層構造を保つ同相群F(M,F)について考察する。先ず葉を保つ同相群が完全であることをEdwards-Kirbyの手法を応用することにより示し、さらに、余次元1葉層に対して葉層構造を保つ同相群の1次元ホモロジー群を考察した。このとき、葉層がD型成分を持たず、R型成分を有限個しか持たないなら、同相群F(M,F)の1次元ホモロジー群は自明であることを示した。また、葉層がD型成分を持つなら、その1次元ホモロジー群は非自明であることおよびトーラスT^m上の無理数線形葉層の場合、その1次元ホモロジー群を決定した。さらに上記結果のリプシッツ版、即ち葉層構造を保つリプシッツ同相群について考察した。このとき、葉層がD型成分を持つとき、上と異なる様相が現れることを発見した。また、余次元2、3のコンパクト葉層の同相群を考察し、その同相群が完全である十分条件を見つけた。 2.GをコンパクトLie群とし、MをG-多様体とする。ここでは、Mの同変微分同相群D_G(M)の構造について考察する。我々は、Mが余次元1軌道を持つ、G-多様体のD_G(M)が考察し、その1次元ホモロジー群を決定した。さらに、リプシッツ同相群についてその構造を解明し、Mが主G-束のとき、その同変リプリッツ同相群が完全であることを示した。 3.4次元多様体上の向きづけ可能な閉曲面によるコンパクト葉層の安定性について考察し,葉が双曲的曲面のとき、C^1-摂動に対してこの葉層が不安定であることを示した。
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