研究概要 |
継続研究の最終年度として,「環境流れの数理」での水圏並びに大気圏環境問題の解析の際に避けることのできない以下の2つの観点について特に考慮して研究を進めた。 1.境界条件・初期条件の設定について領域分割法と逆問題の観点から検討した。小地域環境流れ問題の数値シミュレーションにおいては,必然的に境界の位置を入為的に設定せざるを得ない。本来は境界でないところを境界と見做すことによる人工境界条件の決定法としてディリフレ・ノイマン交代法を適用し,反復の後に適切な境界条件の得られることを,翼周りの流れの数値実験によって明らかにした。 2.大気圏の流れの解析を強く意識して,研究の対象を層流から乱流と拡大した。種々の乱流モデルを検討した結果,実用上,取り扱いが容易で必要なデータも得やすいk-ε(ケイ・イプシロン)モデルを乱流を記述する方程式として採用した。計算手法としては有限解析法(Finite Analytical Method-略してFA法)を用いた結果,実験と比較して極めて良好なシミュレーション結果を得ることができた。 以上,3年間に得られた研究成果を報告書にまとめ,公刊することとした。
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