研究分担者 |
藤間 昌一 茨城大学, 理学部, 助教授 (00209082)
長谷川 博 茨城大学, 理学部, 助教授 (70282283)
坂田 文彦 茨城大学, 理学部, 教授 (50013438)
中村 玄 群馬大学, 工学部, 教授 (50118535)
代田 健二 茨城大学, 理学部, 助手 (90302322)
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研究概要 |
研究の目的は,環境汚染問題に密接に関連する流れの数学的問題を研究することである.水圏および大気圏の環境保全のためのコンピュータシミュレーション技法の開発を研究の狙いとする.この目標に対して次の結論を得た. 1.問題の対象となる流れの領域が複雑な形状をなすことに対処するため,流れの方程式の数値解法のために有限要素法が用いられた.流れの方程式の離散化には,非圧縮性粘性流体の流れに対して分数段階法,浅水域の流れに対してテイラー・ガラーキン法が用いられた. 2.境界条件が,領域分割法ならびに逆問題の見地から検討された.環境流れ問題の数値シミュレーションにおいて比較的小さい領域が考慮されるときには,定式化に際し人工境界が導入され,いくつかの形式をもつ仮想的な境界値を規定しなければならない.この人工境界に規定されるべき値は,シミュレーションの成否に決定的な役割を果たす.しかしながら,その境界値は予め知られているわけではなく,事実,問題の一部を成す.翼周りの流れのシミュレーションの数値実験から,我々はディリクレ・ノイマン交代法を用いることにより,わずか数回の反復の後,適切な境界値が得られることを見いだした. 3.環境問題の研究における流れの数値シミュレーションのためには,層流のモデルでは不適当であることが判明したので,研究を乱流の解析まで広げた.実際に使用する観点から,k-εモデルが最適であると結論づけられた.すなわち,このモデルは使用が容易であり,モデルを実行するために要するデータが入手しやすい.百万程度の高いレイノルズ数をもつ乱流域の流れに対して,有限解析法をこの数値シミュレーションに応用した結果は,物理実験の対応する結果と良好に一致した.
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