研究概要 |
これまでの生物進化の理論は、主として個体選択に基いており、「進化的に安定な戦略」(ESS)が支配的であった。本研究では、ESSに替って、集団選択に基く「進化的に持続可能な戦略」(EMS)の理論の重要性を示す。今年度出版される論文は3つである。K.Tainaka & N.Araki、J.Theor,Biol,Vol.197(1999)PP.1-13においては、生態系の摂動理論を基礎にして、私の提示したEMSの重要性を定性的に述べた。レフェリーはこの論文に対してgreat impactをあたえるものと評価した。 Journal Physical Society of Japan(Vol,68,1999年)には2つの論文がまもなく出版される予定である。第一の論文は、あるモデル生態系を提出し、摂動問題を取扱った。この論文ではパリティ則が成立することを示した(K.Tainaka & T.Sakata)第二の論文(T.Tao,K.Tainaka & H.Nishimori)では、コンタクト・パーコレーションという新しいモデルを提出し、生物の絶滅の研究を行った。
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