研究課題/領域番号 |
10640107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
笠原 勇二 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (60108975)
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研究分担者 |
小杉 のぶ子 お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (20302995)
前島 信 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
金子 晃 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (30011654)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | fractional Brownian motion / ブラウン運動 / 逆正弦法則 / 拡散過程 / 自己相似確率過程 |
研究概要 |
1.自己相似性をもつ正規過程であるfractional Brownian motionについて、局所時間の末尾確率の変動オーダーと自己相似性のパラメータであるハースト指数の関係について詳しく調べた。これに関連して、次元を大きくしたときの共分散行列の行列式の減少のオーダーについて調べた。この量は指数的に減少するが、その指数部分とハースト指数の関係が明らかになった。また、これらの結果の多くを、より一般の正規過程に対して拡張した。 2.上記の問題の研究のためには指数型タウバー型定理が有用であり、この問題に関して、一般的な定理を得た。またその応用の一つとして、正値確率変数の独立同分布和X(1)+X(2)+...+X(n)の分布関数について、nを大きくしたときの減少のオーダーを調べた。指数部分のオーダーとX(k)の確率分布との関係を明らかにした。 3.fractional Brownian motionは自己相似確率過程の特別な場合であるが、自己相似確率過程の一般的な性質について若干の結果が得られた。 4.ブラウン運動の正側滞在時間の分布は逆正弦法則であることがよく知られており、fractional Brownian motionに関して同様な性質を調べるのが本研究の目標の一つであったが、これについてはまだ意味ある結果を得るに至っていない。しかしながら、代わりに拡散過程に関する逆正弦法則について詳しい性質が分かった。すなわち、拡散過程の正側滞在時間の分布について、原点付近での漸近性質と標準測度の関係が明らかになった。
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