研究分担者 |
藤田 岳彦 一橋大学, 商学部, 教授 (50144316)
山田 裕理 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50134888)
岩崎 史郎 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00001842)
石村 直之 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80212934)
山崎 昌男 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (20174659)
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研究概要 |
一般に,κ値論理関数からなるクローン(合成に関して閉じている集合)の全体L_kをκ次クローン束という。2次クローン束についてはすでに構造が完全に解明されているが,3次以上のクローン束についてはまだその構造がほとんどわかっていない。高次クローン束L_k(κ【greater than or equal】3)の構造の解明を主たる目標として本研究を行い,次のような成果をあげた。 1.距離空間としてのL_3の構造の研究 クローン束L_kに距離を導入し,L_kがコンパクト距離空間となることを示した。さらに,L_3におけるmeetの演算を基にしてL_3からL_2への連続写像を構成し,そのような連続写像のもとで,L_3における極大クローンや集積点をなすクローンがどのようにL_2に写像されるかを調べた。 2.L_kの極小クローンおよびそれに関連する研究 極小クローンの分類がまだ完成していない現状では,極小クローンに関する種々の性質の研究は重要である。本研究では,極小クローンの対(C_1,C_2)について,和集合C_1∪C_2が関数全体を生成するとき(C_1,C_2)をgigantic pairと名づけ,gigantic pairを特徴付ける定理を与えるとともに,ほとんどのκに対しgigantic pairが存在することを示した。一方,それを拡張する形で,いくつかの極小クローンのjoinとして表わされるクローンについての研究を始めた。 3.超クローンの研究 最近I.G.Rosenbergによって導入された超クローン(hyperclone)について,その濃度に関する研究を行い,集合{0,1}上の超クローンの濃度は連続濃度であることを証明した。これは,通常のクローンの場合,2値のクローンの濃度が可算無限であることと対比すると興味深い結果である。 4.部分関数からなる部分クローン束の構造の研究 部分クローン束について,(1)meetが射影関数だけからなるクローンになる極大部分クローンの族の濃度と(2)joinが部分関数全体になる極小部分クローンの族の濃度についてそれぞれ研究を行った。これは,L.Haddad,I.G.Rosenberg両教授との共同研究である。
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