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1998 年度 実績報告書

ベクトル場のホモクリニック軌道の大域的分岐の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10640115
研究機関京都大学

研究代表者

國府 寛司  京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50202057)

研究分担者 高石 武史  広島電機大学, 工学部, 講師 (00268666)
小室 元政  帝京科学大学, 電子情報科学科, 助教授 (00186818)
磯 祐介  京都大学, 大学院情報学研究科, 教授 (70203065)
西田 孝明  京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (70026110)
キーワード力学系 / ベクトル場 / ホモクリニック軌道 / 大域的 / 分岐 / カオス / 数値計算 / 計算機支援
研究概要

本年度の研究実績は以下のとおりである.
(1) 力学系のホモ/ヘテロクリニック軌道の分岐の研究:ベクトル場の定める力学系のホモクリニック軌道や複数のへテロクリニック軌道のなすループは,それ自体構造不安定でベクトル場の微小な摂動により崩壊し,それに代わって力学系はいわゆるカオスを含む様々な複雑な挙動を示す.特に退化したホモクリニック軌道がその管状近傍内を2周するホモクリニック軌道に変化する,いわゆるホモクリニック倍分岐が,無限回引き続いて起こり集積する現象がベクトル場の2パラメータ族で摂動に関して安定に起こり得ることの数学的な証明を完成させた.またこれに関連して,ある余次元3の退化特異点からある種のヘテロクリニックサイクルが分岐によって出現することを示した.これによってこの特異点からカオス的アトラクタが分岐することもわかる.
(2) 特異摂動的力学系の大域的構造の研究:Conley indexの理論をslow-fast systemsと呼ばれるある種の特異摂動的ベクトル場に対して構築することを目指し,まずその第一歩としてslow manifoldがnormally hyperbolicで1次元である場合について扱った.具体的には,そのような力学系における周期軌道やconnecting orbitの存在を示す位相的・代数的な条件を見い出した.
(3) 流体方程式系の解空間の構造を解析するための計算機援用証明法の研究開発:水平な容器Gこ入れられた液体を下から一様に加熱する時の流体の熱対流(Raylcigh-Benard問題)の解は,Rayleigh数が増加すると,平衡解から定常分岐・Hopf分岐によって,定常パターンの形成あるいは周期的振動現象を呈し,更にchaoticな挙動・乱流へと多様な振る舞いをする事が観察されている.その解析は,平衡解からの最初の分岐による定常パターンの生成のみが,分岐理論によって示されている.しかし,その分岐した解の分岐曲線を大域的に追跡する解析方法は,上下の境界平面上で最も簡単なStress freeの境界条件を持つBoussinesq方程式の場合にも,数学理論としては確立されていない.この場合について大域的に分岐曲線を追跡し,解空間の大域的な分岐構造を解明するためにいかなる解析的基礎理論及び計算機援用証明法が必要かを研究し始め,パラメーターの値に対応した解の存在を保証する判定法を提出した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Gedeon,H.Kokubu,K.Mischaikow,H.Oka & J.Reineck: "Conley index for fast-slow systems I: One-dimensional slow variable" Journal of Dynamics and Differential Equations. (発表予定).

  • [文献書誌] H.Kokubu,K.Mischaikow,and H.Oka: "Directional transition matrix" Proceedings of the Conley Index Workshop,Banach Center Publication. (発表予定).

  • [文献書誌] F.Dumortier and H.Kokubu: "Chaotic dynamics in Z_2-equivariant unfoldings of codimension 3 singularities of vector fields in R^3" Ergodic Theory and Dynamical Systems. (発表予定).

  • [文献書誌] Pyi Aye and T.Nishida: "Heat Convection of Compressible Fluid" Mathematical Sciences and Applications. 11. 107-115 (1998)

  • [文献書誌] A.Hasegawa,M.Komuro,T.Endo & R.Igarashi: "A New Type of Intermittency from a Ring of Four Coupled Phase-Locked Loops" IEEE Trans.on Circuits and Systems I: Fundamental Theory and Applications. 45・6. 623-633 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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