研究概要 |
任意次数の微分方程式の解法について検討した。 任意次数微分の定義は西本の定義(N-fractional Calculus)に従って取り扱うことにする。 最高次の微分次数が有理数の形に書ける、ある非同時な任意次数微分方程式の解は求めることができることを、2,3の具体例に対して解析的に解の形を求めることによって示した。 さらに、このタイプの方程式は常微分方程式に変換可能であることを導き、常微分方程式の解を求めるようにして、数値計算法の適用を試みた。 適用した方法はよく知られた4次のRunge Kutta法であるが、右辺の既知関数に対して任意次数微分を計算する必要が生じる。西本の定義では複素積分による計算となる。そこで、既知の公式を組み合わせて適用し、直接複素積分することを避けるため右辺項の級数展開、3角多項式展開を組み込んだアルゴリズムで解を計算した。Runge Kutta法の解系のなかで、よく適合する解法があるか、安定性の検討、近似解の信頼性、精度の検討など、まだ検討すべき残された問題である。 また、減衰力のみで、それ以外の外力がない場合の振動のモデル方程式に類似した任意次数微分方程式(An almost free damping vibration equation)の解を求め、その解が次数のずれ(イプシロン)に応じて元の解に漸近的に近づくこと,高次の方程式の解との関連性などを検討した。
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