研究課題/領域番号 |
10640120
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中木 達幸 広島大学, 教育学部, 助教授 (50172284)
|
研究分担者 |
友枝 謙二 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60033916)
木村 正人 広島大学, 理学部, 講師 (70263358)
|
キーワード | 渦糸問題 / 渦領域の数値解析 / 緩和振動 / ヘテロクリニック軌道 |
研究概要 |
本研究課題に対して,次の2点に関して研究を行った。 1. 渦糸の挙動に関する研究 Euler方程式に支配される2次元流体に発生した5つの渦糸に関して、渦糸の初期位置がある種の対称性をもつ場合を考察する。その状態は時間に関して定常であるが、この定常解は不安定であり、数値実験によれば数値解は緩和振動をおこす。この問題に関して、数学的にはへテロクリニック軌道の存在を示した。緩和振動がおこる原因はへテロクリニック軌道の近くを解が動くためである。また、ある特定の渦糸の強さκをパラメータとしたとき、κ<-0.5のときには、回転運動と緩和振動が併発する挙動を数値実験により示し、回転する座標系において、ヘテロクリニック軌道の存在を示した。また、κ>-0.5のときは、ある摂動に対して、回転運動が安定であることを示した。前者の場合に、ヘテロクリニック軌道が結ぶ2つの定常解の特定を数値計算により行った。後者のとき、数値実験によれば、多くの種類の摂動に関して回転運動が安定であると思われる。 2. 渦領域の挙動に関する数値実験 渦領域の挙動に関して、Contour dynamics法により数値実験を行った。状況設定は、渦領域の大きさがゼロの極限状態では、上に述べた渦糸問題と同じものになるようなもので行った。渦領域の大きさが十分小さいときは渦糸問題と同じ挙動を示すが、大きさがある程度大きくなると渦領域の形状が急速に変形されて回転を始めることを数値実験により示した。大きな渦領域に関しては、多くの研究者による結果と同様に、coalescenceが観察された
|