研究課題/領域番号 |
10640120
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中木 達幸 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (50172284)
|
研究分担者 |
木村 正人 広島大学, 理学部, 講師 (70263358)
友枝 謙二 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60033916)
福本 康秀 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (30192727)
|
キーワード | 渦糸問題 / 渦領域の数値解析 / 緩和振動 / ヘテロクリニック軌道 / 周期運動と準周期運動 / 流れ場の挙動 |
研究概要 |
昨年度に引続き、本年度は次の3点に関する研究を行った。 1.渦糸の周期運動と準周期運動に関する研究 Euler方程式に支配される2次元流体に発生した5つの渦糸に関して、昨年度、緩和振動をおこす場合について研究を行った。それに引続き、本年度は渦糸の初期の位置を変更した場合について数値解析と数学解析の立場から研究を行った。その結果、初期の形状を表すパラメータαとある渦の強さを示すパラメータκの値により、5つの渦糸群は、周期運動や準周期運動を示すことが分かり、その一部について、数学的に周期運動が発生することを証明した。また、数値実験により周期運動が起こるパラメータαとκの値を決定し、運動の形状を調べた。 2.渦糸が引き起こす流れ場の挙動に関する研究 上で数学的に存在が証明された周期的運動をする渦糸群を考える。この渦糸群は流体全体に流れを引き起こす。この流れ場の挙動を数値実験により調べた。その結果、流体要素のポアンカレ断面上での動き、すなわち、時刻が周期の整数倍のときの流体要素の位置は、初期の流体要素の場所により、(1)渦糸の周辺に留まる、(2)渦糸から遠い場所を動く、(3)カオス的な動きをする、(4)渦糸から適当に離れた狭い場所に留まる、という4通りの場合があることが分かった。本研究は、海外出張の際に現地の研究者からの示唆を動機として始めたものである。 3.渦領域と渦糸が混在する場合の挙動の解析 昨年度は渦領域に対する解析を行った。それに引続き、本年度は渦領域と渦糸が混在する場合について、数値実験により解析を行った。その結果、渦領域の大きさにより、渦領域の変形やcoalescenceが観察された。
|