研究分担者 |
安田 正美 千葉大学, 理学部, 教授 (00041244)
岩本 誠一 九州大学, 経済学部, 教授 (90037284)
古川 長太 創価大学, 工学部, 教授 (50037165)
野間口 謙太郎 高知大学, 理学部, 教授 (60124806)
新関 章三 高知大学, 理学部, 教授 (60036572)
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研究概要 |
本年度は,確率系・ファジイ系を中心とした不確実モデルにおける最適化理論の発展的研究を行い,検定統計量の解析・実解析学・力学系の研究を行った.その内容は以下の通りである: 1. 零和Dynkin型の最適停止問題に対して,有限制約のない場合の値関数の近似法を2つ提案した.また,有限制約のあるいくつかの問題に対して,値関数の間の関係を示した. 2. 多人数協力型最適停止問題を定式化し,スカラー化法によりパレート解の特徴付けを与え,Dynkin型に適用した. 3. ファジイ写像について片側方向微分の概念を導入し,制約条件のある場合とない場合に対してファジイ非線形計画問題の1次最適性必要条件を導いた. 4. 有限状態空間上の定常マルコフ連鎖に関連した結合型統計量の期待値を計算するために,前向き・後ろ向き反復法を与えた.この2つの手法は動的計画の不変埋め込み法に基づいている. 5. 離散時間無限期間計画問題に対して,動的ファジィシステムを定式化し,ファジィ推移の極限定理,関係方程式の存在と一意性等を議論した.また,マルコフ型の推移を伴うファジィ決定過程を構成し特徴付けを与えた. 6. オーソスキーム確率とは、平均0のn次元正規分布に従う確率ベクトルが正象限に出現する象限確率の一種である.Childs-Moranはこの確率列(nに関する)の母関数を得ているが,それを更に一般化した. 7. 可測関数に関する重要なLusinの定理を,Egoroffの定理を用いないで,階段関数への作用素を用いて証明した. 8. 一般化されたcookie-cutter Cantor setのハウスドルフ次元を調べ,その応用として,2次写像の不変集合のハウスドルフ次元に対する評価式を得た. また,研究代表者はオレゴン州立大学(米国:98年7月)で開催された第25回「確率過程とその応用」において,口頭発表を行った.
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