研究概要 |
本研究は、不確実な情報を持つシステム(ファジィ・システム)の数理構造に関する解析とその意思決定理論の応用研究を目的としている。主な研究成果は次の通りである。 1. ファジィ・システムの再帰性の特徴付けや周期性の構造解析を行うことに成功した。 2. ファジィ・システムの極限状態の解析をある単調性を持つ場合に行った。また、極限状態の満たすファジィ関係方程式の解空間の構造を明らかにした。 3. ファジィ・システムの最適停止問題に関して、測度論の観点から双対性による特徴付けを行うことに成功した。 4. 時間平均型のファジィ利得をもつ決定モデルの評価基準の合理的な与え方に成功した。 5. ファジィ性と蓋然性(確率)を伴う動的計画モデルの解決を与えた。 これらの研究成果は、Fuzzy Sets and SystemsやInfomation Sciences等に掲載されている。また、本研究の成果は、京都大学数理解席研究所の研究集会や日本数学会において口頭発表を行っている。また、国際学会KES'98(Adelaidc,Australia,Proceedings Vol.3,pp.547-552,553-558,IEEE-CS出版),EUFIT'98,(Aachen,Germany,Proceedings Vol.1,pp.150-153),IIZUKA'98(於九州工業大学,飯塚,proceedings VOL.1,pp.507-510,World Scientific出版)において口頭発表を行っている。 本年度はファジィ・システムの基本構造の解析を中心に行ったが、次年度は意思決定理論への応用理論を展開する予定である。
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