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1998 年度 実績報告書

集団遺伝学に関連した確率過程の極限定理の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10640132
研究機関九州歯科大学

研究代表者

飯塚 勝  九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (20202830)

キーワード集団遺伝学 / 有効個体数 / wroght-Fisherモデル / 確率過程 / 極限定理
研究概要

集団の大きさ(個体数)が離散時間確率過程{N(t,ω_1)}_<t=0,±1,±2,...>である半数体Wright-Fisherモデルを考える。2つのタイプA_1とA_2が集団に存在するとし、時刻tにおけるA_1,の相対頻度をx(t,ω_1,ω_2)とする。確率過程{x(t,ω_1,ω_2)}_<t【greater than or equal】0>を個体数の確率変動を伴うWight-Fisherモデルという。
確率過程{x(t,ω_1,ω_2)}_<t【greater than or equal】0>が集団の大きさを大きくしたとき、集団の大きさに依存する適切な時間尺度の変更の下で、連続時間確率過程、とくに、拡散過程に収束するかが、理論集団遺伝学における重要な問題の一つである。時間尺度の変更の候補としては、tを集団の有効個体数Neで割ったt/(Ne)が考えられるが、まず、Neが{N(t,ω_1)}_<t=0±1±2,...>の確率法則、とくに、自相関の強さにどのように依存するかを明らかにする必要がある。そのために、以下のような簡単な2状態マルコフ連鎖を考え、有効個体数Neの性質を明らかにした。
{N(t,ω_1)}_<t=0,±1,±2,...>を{N_1,N_2}上のマルコフ連鎖で、P(N(t+1,ω_1)≠N(t,ω_1)|N(t,ω_1)=N_i)=q_iとする(i=1,2)。このとき、有効個体数Ne(q_1,q_2)を定義し、その具体的な表現を求めることができる。この表現を用いて、次の結果を得ることができた。N(t,ω_1)の調和平均をN_H(q_1,q_2)とすると、0<q_1+q_2<1のときNe(q_1,q_2)<N_H(q_1,q_2)、q_1+q_2=1のときNe(q_1,q_2)=N_H(q_1,q_2)、q_1+q_2>1のときNe(q_1,q_2)>N_H(q_1,q_2)である。さらに、Ne(q_1,q_2)のq_1,q_2依存性や、集団の大きさが非常に大きくなったときの漸近的性質などについても明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Harada,Yasushi: "Genetic risk of domestication in artifocoal stocking and its possoble reduction" Researches on Population Ecology. 40・3. 311-324 (1998)

  • [文献書誌] 中橋 孝博: "北部九州の縄文〜弥生移行期に関する人類学的考察" 人類学雑誌. 106・1. 31-53 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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