ラプラス型近似と関連する極限定理の研究

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10640134
• 研究機関: 慶應義塾大学
• 研究代表者: 田村 要造 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (50171905)
• 研究分担者: 田中 洋 日本女子大学, 理学部, 教授 (70011468) ; 鈴木 由紀 慶応義塾大学, 理工学部, 助手 (30286645) ; 前島 信 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846) ; 種村 秀紀 千葉大学, 理学部, 助教授 (40217162) ; 千代延 大造 名古屋大学, 大学院・多元数理科学, 助手 (50197638)
• キーワード: 大偏差原理 / ラプラス近似 / ランダム触質

研究概要

1.大偏差原理に関するラプラス型近似の問題に関してはまずマルコフ過程の通常のオーダーでのラプラス型の極限定理に関してヘシアンが退化している場合に一般的枠組みを非対称マルコフ過程の場合にE.Bolthausen氏、J.D.Deuschel氏とともに得た。また通常のオーダーとは異なる新しいタイプのラプラス型近似の問題に関しては独立同分布の場合に主に千代延氏によって状態空間とポテンシャル関数に適当な条件を置くことにより極限定理が得られた。またこれと同様のタイプのラプラス近似の問題に関する研究を対称マルコフ過程にも着目し大偏差原理に関してはほぼ結果が得られたが、ラプラス型の近似に関しては弱い形の問題に対して結果がえられつつある。
2.ランダム媒質中の確率過程に関してはまず一次元のランダム媒質中の拡散過程の問題に関して主に田中氏、鈴木氏によって左右に別々の特別なランダム媒質を与えた場合の新しいタイプの極限定理がえられた。また臨界状態でのランダム媒質中の運動を調べるためにフラクタル上の粒子のランダム媒質中の極限定理にも着手し、高橋氏と均質化に関する結果を得た。
3.従属性が強い場合の極限定理を求めていくために、まず無限分解可能分布に関して、前島氏等とある特別な例を通してその射影分布との関係に関する結果を得た。また更に従属性が強い場合として半自己相似過程をとりあげ、前島氏、西郷氏等と作用素的半自己相似過程を導入し基本的結果を得た。

研究成果

• [文献書誌] M.Maejima et al: "Some multivariate infinitely divisible distributions and their projections"Probavility and Mathematical Statistics. 19(to appear).
• [文献書誌] T.Chiyonobu: "A limit formula for a class of Gibbs measures with long range pair interactions"J.Math.Sciences The Univ.Of Tokyo. (to appear).
• [文献書誌] K.Kawazn et al: "A diffusion process with a one-sided Brownian potential"Tokyo J.Mathematics. (to appear).
• [文献書誌] M.Katori et al: "Survival probabilities for discrete time models in one dimemsion"J.Statistical Physics. (to appear).
• [文献書誌] M.Maejima et al: "Semi-self similar processes"J.Theoretical Probability. 12. 347-383 (1999)
• [文献書誌] M.Maejima et al: "Operator semi-self decomposability,(C,Q)-decomposability and related nested classes"Tokyo J,Mathematics. 22. 473-509 (1999)