研究課題/領域番号 |
10640147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 大阪大学 (1999) 東北大学 (1998) |
研究代表者 |
会田 茂樹 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90222455)
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研究分担者 |
桑江 一洋 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (80243814)
関根 順 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (50314399)
長井 英生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70110848)
吉田 伸生 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40240303)
数見 哲也 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (40224422)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 対数ソボレフ不等式 / スペクトルギャップ / ループ空間 |
研究概要 |
平成10・11年度の主たる成果は次の通りである. 1.無限次元空間上の拡散過程の短時間挙動を研究した. 2.Wiener空間の中の部分集合がある意味で連結なときその上で定義された拡散過程が既約になることを証明した. 3.時刻1でpinnedした拡散過程について,Clark-Ocone-Haussmann formula(=COH formula)を証明した. もう少し詳しく説明しよう. 1:FangがOrnstein-Uhelenbeck過程について証明していた推移確率の時間が0に収束したときの漸近挙動の研究を一般の変数係数の場合に一般化したものである.Wangの不等式とよばれるHarnack型の不等式が鍵になる. 2:会田は以前コンパクト多様体上のループ空間を考えるときその各ホモトピー類でディリクレ形式が既約になることを証明した.その際,楠岡成雄氏による定理を用いたがここでは楠岡氏の仮定より弱い仮定の下で既約性を与える定理を示した. 3の応用として双曲型空間の上のpinned Brownian motionについて非有界な拡散係数をもったディリクレ形式について対数ソボレフ不等式を証明した.また特別な多様体に対してであるが2で述べたループ空間上の既約性の別証明も与えた.Pinned measureについては対数ソボレフ不等式,スペクトルギャップの存在など不明であったがこの結果はポジティブな方向の初めての結果といえる.COH-formula自身は拡散過程の熱核(推移確率)の時刻0での振る舞いがあまり悪くないような場合に成立する.従ってCOH-formulaは双曲型空間を含むある多様体のクラスで成立するはずだが,その研究は今後の課題である.
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