研究概要 |
当該研究に関する平成11年度の研究実績の概要は次の通りであり,成果は学術雑誌等に発表された. 勘甚は,上半平面におけるハーディー空間において成り立つハーディーの不等式を,ハンケル変換に関して類似な形で証明した.これは古典的な場合を含むものである.また,離散ハーディー空間の研究を行い,モレキュールによる離散ハーディー空間の特徴付けを得た.そして,この応用として離散な場合のfractional integrationの定理とマルチプライヤー定理を得た. 一瀬は,Kacの転送作用素とSchrodinger半群との差の作用素ノルムを,小さい時間の1より大きいベキで評価し,その応用として,作用素ノルムでのLie-Trotter-Katoの積公式を証明した. 籐解は,代数型函数についてその函数が与える有利型函数体上の線型微分多項式の比を考え,その特性函数が再びこの函数体の元となるとき,その函数の体数導関数もまた同様か否かについて考察しこれまで知られていた多くの結果を含む主張を証明した. 土谷は,拡散過程の重ね合せとして与えられるマルコフ過程のフェラー性をグリーン核の分析および境界層上の微積分方程式の強解の存在を示すことにより証明した. 佐藤は,積分核に単位球面上でLlogL条件を仮定すると,これにより定義されるマルチンキービィッツ関数がウィーク(1,1)評価を満足することを示した.また,滑らかなカルデロン・ジグムント特異積分核から定義される振動特異積分作用素に対するA1ウェイト付の可積分関数の空間でノウィーク(1,1)評価を証明した.
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