研究概要 |
n次元複素ユークリッド空間C^nの単位球B_n上のハーディ空間H^p(B_n)及びバーグマン空間A^p(B_n)(0<P<∞)型の幾つかの関数空間について研究した。ハーディ空間H^p(B_n)及びバーグマン空間A^p(B_n)を統括する荷重バーグマン空間A^p(ν_α)(-1<α<∞,0<P<∞)を一般化したハーディ、オーリッツ空間H_φ(B_n)、荷重バーグマン・オーリッツ空間A_φ(ν_α)(-1<α<∞)の重要な例として、プリバロフ空間N^p(B_n)(1<P<∞)及び荷重バーグマン・プリバロフ空間(AN)^pV_α)(-1<α<∞,1 p<∞)の研究が近年著しい。これらの空間について、1次元のプリバロフ空間N^p(B_1>(1<p<∞)の不変部分空間を研究し、"Invariant subspaces of the Privalov spaces"と題して論文を発表した(Far East J. Math. Sci. vol.2)。また、荷重バーグマン・プリバロフ空間(AN)^p(ν_α)(-1<α<∞,1 p<∞)の等距離線形写像を研究し、そのすべてを決定した(to appear in J.Math.Scc.Japan)。これは大学院生である植木誠一郎との共同研究である。更に、F.Beatrous、J.Burbeaが荷重バーグマン空間A^p(ν_α)(-1<α<∞,0<p<∞)に対して行った特徴付けと同種の特徴付けを、荷重バーグマン・オーリッツ空間A_φ(ν_α)(-1<α<∞)に対して行った(to appear in J.Austral.Math.Soc.)。これは大学院生である宮澤純との共同研究である。次に、S.Yamashita-M.Stoll-C.Ouyang-A.Zhaoがハーデイ空間H^p(B_n)及びバーグマン空間A^p(B_n)(0<p<∞)に対して行った特徴付けと同種の特徴付けを、プリバロフ空間N^p(B_n)(1<p<∞)及び荷重バーグマン・プリバロフ空間(AN)^p(ν_α)(-1<α<∞,1 p<∞)に対して行った。これは植木誠一郎及び宮澤純との3人の共同研究である。一番最近の結果としては、プリバロフ空間N^p(B_n)(1<p<∞)及び荷重バーグマン・プリバロフ空間(AN)^p(ν_α)(-1<α<∞,1 p<∞)の連続環準同型写像の決定がある。これは植木誠一郎との共同研究であり、現在、論文の形に準備中である。その他、本研究(平成10年度〜12年度)中にあげた研究成果は、新潟大学教授泉池敬司氏との多重円板上の不変部分空間についての共同研究("A_φ-in)variant subspaces on the torus",Can.J.Math.,vol.50)、バーグマン空間A^p(B_n)(1 p<∞)の微分作用素を用いた特徴付けであるG.Benke-D.-C.-Changの定理の別証明("On a theorem of G.Benke and D.-C.-Chang",Jour.Fac.Sci.Shinshu Univ.,vol.34)である。
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