研究概要 |
今年度行った研究としては次の3つの分野を挙げることが出来る.1.実型古典的ショットキイ空間の研究 2.ヨルゲンセン数の研究 3.ヨルゲンセン群の研究.1.実型古典的ショットキイ空間の研究.種数2の実型古典的ショットキイ群を8種類に分類し,それらの群のなす8種類すべての実型古典的ショットキイ空間の形状を決定した.更に,それらの空間に作用するショットキイ・モジュラー群の生成元を求め,それらの基本領域を求めた.2.ヨルゲンセン数の研究.(1)1で得られた結果を用いて8種類すべての実型古典的ショットキイ空間についてそのヨルゲンセン数の最良の下界を求めた.この結果は今年度中に日本数学会の学術誌 J.Math.Soc.Japanに投稿する予定である.(2)Riley sliceに対するヨルゲンセン数の最小値が1であることが分かった.この結果は今年8月の国際会議で発表することにしている.3.ヨルゲンセン群の研究.ヨルゲンセン数が1となる非初等的な離散群をヨルゲンセン群という.ヨルゲンセン群の2つのone-parameter familiesを考察した.この中には,よく知られた古典的モジュラー群,ピカール群,8の次結び目群,ゲーリンク群などが含まれている.得られた結果をニューヨーク州立大学ストニイプルック校,ラトガース大学ニューワーク校及びニューブラウンズヴック校で講演した.この結果は第3回ahlfors-Bers Colloquium のProceedingsであるContemporary Mathematicsに投稿した.この研究期間内の今後の目標は,クライン群のいろいろの空間のヨルゲンセン数を求めること,ヨルゲンセン群を更に詳しく調べること,およびメビウス群の離散性の判定条件を求めることである.
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