研究課題/領域番号 |
10640164
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大鍛冶 隆司 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20160426)
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研究分担者 |
土居 伸一 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (00243006)
重川 一郎 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (00127234)
谷口 雅彦 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50108974)
西田 孝明 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (70026110)
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キーワード | 解の一意接続性 / 平滑化効果 / シュレーディンガー方程式 / ディラック方程式 / 解の特異性の伝播 |
研究概要 |
今年度になされた研究は2つに大別することができる。一つは楕円型方程式の解の一意接続性についての研究であり、もう一つはシュレーディンガー型方程式の解に対する平滑化効果ならびに特異性の伝播についての基礎構造の研究である。以下これらの概要について述べる。 (1)解の一意接性 大鍛治は特異なポテンシャルを持つディラック方程式およびシュレーディンガー方程式に対する解の強一意接続性、および一意接続性についてDe Carliと共同研究を行なった。特に、ディラック作用素について、ポテンシャルがスカラーのクーロン型の場合には常に強一意接続性が成り立つことを示し、従来の結果を改良した。また、一般のマトリックスポテンシャルの場合には、それが正・負各々の固有状態に掛け算作用素として働く際、これらの間の遷移が少ないという仮定が重要であることを明らかにした。 (2)解の特異性の伝播 大鍛治は特異性の伝播の研究に有効な新しい方法、すなわちウィグナー変換を通じて対称化された波束(FBI変換)を用いる新しい方法を開発し、これをシュレーディンガー方程式に適用した。その結果、遠方で2次増大度ポテンシャルを持つシュレーディンガー方程式の解に対する特異性の伝播ならびに平滑化効果の詳細な情報を得ることに成功した。 また土居は多様体上におけるシュレーディンガー作用素および分散型作用素の解の平滑化効果について研究を行った。
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