研究概要 |
本研究では特にリー群上の不確定性原理について研究を行ってきたが,本年度は江口正晃,小泉伸,江端満彦と協力して,実数群上のCowling-PriceによるHardyの定理のL^p版(1983): 1≦p,q≦∞としそのうちの一方は有限としたとき, ‖exp(ax^2)f‖_<L^p(R)><∞,‖exp(by^2)f^^<^>‖_<L^q(R)><∞ かつαb≧1/4ならば殆ど至る所f=0 の半単純リー群への拡張について研究を行った.すでに運動群に対しての拡張は江口正晃,小泉伸と協力し,本研究の平成11年度に行ったものである.方法はHarish-Chandraのsubquotient定理より,フーリエ変換としては極小放物型部分群から誘導された表現に対応する部分だけでよいことを用い,R.Camporesiによるリーマン対称空間上のベクトル束に対するヘルガソン・フーリエ変換の結果(1997)を用いることによりほぼ定理を得た.これは江端満彦によって確立されたSU(1,1)に対するCowling-Priceの定理(2000)の拡張である.また,ベクトル値球関数を用いた球フーリエ変換に対してもCowling-Priceの定理の拡張が得られた.これらは現在論文として作成中である.
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