研究課題/領域番号 |
10640172
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
蚊戸 宣幸 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (40177423)
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研究分担者 |
杉江 実郎 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40196720)
相川 弘明 島根大学, 総合理工学部, 教授 (20137889)
古用 哲夫 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40039128)
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キーワード | 非局所条件 / 発展方程式 / 筋収縮 / 個体数変動 / サイズ依存 |
研究概要 |
まず、筋肉の収縮を記述する方程式に対する研究を行った。筋収縮は、太い繊維ミオシンと細い繊維アクチンが互いに滑り込むことで起きる。その滑り込みは、ミオシンから伸びるクロスブリッジがアクチンに結合して、それがバネの役割を果たすことによって起きる。この結合しているクロスブリッジの数(相対密度)の時間変化を表したのが筋収縮モデルであるが、収縮速度がクロスブリッジの数全体によって決まるため、非局所条件が入ってくる。 今回の研究では、双曲型の輸送方程式とそれに拡散項を考慮した放物型の輸送拡散方程式の2つのタイプについて考えた。従来の研究では、クロスブリッジの結合と解離が線形的であったのに対し、今回の研究では、非線形性を許すような一般的な設定で解の存在と一意性に関する結果を得た。いずれの場合も解は、有界かつ一様連続な関数空間で求めた。 次に、サイズと時間に依存した成長率を持つ個体数変動の一般モデルに対する研究を行った。これは、森林や農園の植物の個体数変動を例として、自然に現れるモデルである。誕生法則を記述する項に非局所条件が現れる。従来の研究では、成長率がサイズのみに依存する場合や、死亡などによる減少を記述する関数と誕生による増加を記述する関数が特殊な形の場合であった。 今回の研究では、死亡関数や誕生関数を一般形のまま取り扱い、正値解の存在と大域解の存在についての結果を得た。この結果は、アメリカで開かれた国際会議において発表した。さらに、死亡関数と誕生関数と初期値に関する解の連続的依存性の結果も得られた。これは、システムの安定性を考える上で重要である。これらの結果は、G.Webbによる年齢依存の個体数変動モデルに対する結果を拡張するものである。
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