研究課題/領域番号 |
10640172
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
蚊戸 宣幸 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (40177423)
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研究分担者 |
杉江 実郎 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40196720)
相川 弘明 島根大学, 総合理工学部, 教授 (20137889)
古用 哲夫 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40039128)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 非局所条件 / 発展方程式 / 筋収縮 / 個体数変動 / サイズ依存 |
研究概要 |
本研究では、「非局所条件」をキーワードに、二つの異なるタイプの発展方程式に焦点を当て研究した。 [筋収縮モデルの研究] 筋収縮は、太い繊推ミオシンと細い繊推アクチンが互いに滑り込むことで起きる。その滑り込みは、ミオシンから伸びるクロスブリッジがアクチンに結合して、それがバネの役割を果たすことによって起きる。この結合しているクロスブリッジの数(相対密度)の時間変化を表したのが筋収縮モデルであるが、収縮速度がクロスブリッジの数全体によって決まるため、非局所条件が入ってくる。 今回の研究では、双曲型の輸送方程式とそれに拡散項を考慮した放物型の輸送拡散方程式の2つのタイプについて考えた。従来の研究では、クロスブリッジの結合と解離が線形的であったのに対し、今回の研究では、非縦形性を許すような一般的な設定で解の存在と一意性に関する結果を得た。 [個体数変動モデルの研究] サイズと時間に依存した成長率を持つ個体数変動モデルの研究は、森林や農園の植物の個体数変動を例として、自然に現れるモデルである。誕生法則を記述する項に非局所条件が現れる。 今回の研究では、死亡関数や誕生関数を一般形のまま取り扱い、正値解の存在と爆発、大域解の存在、さらにサイズに関して有界な解についての結果を得た。これらに関しては1998年、アメリカ(ニューポート・ビーチ)で開かれた国際会議において発表した他、論文にまとめ、現在投稿中である。 また、死亡関数と誕生関数と初期値に関する解の連続的依存性の結果も得られた。 さらに、非線形の成長率を持つ個体数変動モデルに対する解の存在性に関する結果を得た。これについて、1999年、ドイツ(ベルリン)で行われた国際学会にて発表した。
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