研究課題/領域番号 |
10640176
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
一ノ瀬 弥 信州大学, 理学部, 教授 (80144690)
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研究分担者 |
千原 浩之 信州大学, 理学部, 助手 (70273068)
熊ノ郷 直人 工学院大学, 工学部, 講師 (40296778)
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キーワード | 経路積分 / フーリエ積分作用素 / シュレディンガー方程式 |
研究概要 |
平成10年度の研究計画は、(1)配位空間上の経路積分の収束の研究(一ノ瀬、熊ノ郷)、(2)位相空間上の経路積分の収束の研究(一ノ瀬)、(3)source項を持っSchrodinger方程式の初期値問題についての研究(千原)であった。研究実施は概ね成功したが、いくつかの点で未完成の部分もあった。以下に具体的に示す。 一ノ瀬は(1)について折れ線を用いた経路積分の研究を行い、1997年度に発表した論文(一ノ瀬 Comm.Math.Phys.)の結果を拡張することに成功した。この結果から、経路積分の収束がポテンシャルの取り方に依らない(ゲージ不変性を持つ)ことが示された(Rev.Math.Phys.に発表予定)。更に(2)の位相空間上の経路積分の収束の研究を行い、従来得られていた結果(Gawedzki 1974)を大幅に拡張することが出来た。これらの結果は作用素論シンポジウム、松本偏微分方程式研究集会、微分方程式・数理物理国際研究集会(アメリカ合衆国バーミングハム)で発表された。現在位相空間上の経路積分については論文準備中である。尚経路が折れ線でない経路積分の研究については、幾つかの準備的結果が得られているが未だ完成していない。次年度の早い時期に完成する予定である。 熊ノ郷は(1)について研究した。フーリエ積分作用素理論を整理することにより、古典軌道を用いた経路積分の収束の直接的証明を簡略化する可能性を与えた(Osaka J.Math.に発表 1998)。この結果は偏微分方程式研究集会(ドイツ国ポツダム)で発表された。 千原はSchrodinger型非線形方程式の初期値問題の研究を行った。ここで用いられた手法はsource項を持っSchrodinger方程式の初期値問題についての研究に応用されると期待される(J.Math.Kyoto Univ.に発表予定1999)。
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