研究概要 |
1.非負な作用素単調関数f(t)とユニタリ不変なノルム|||・|||に関しては,どの2つの半正定値作用素A,Bにたいしても不等式 |||f(A+B)-f(B)|||【less than or equal】|||f(B)||| が成り立つことを以前の研究で示した。今回,これを補うものとして なる不等式の証明に成功した。 |||f(A+B)|||【less than or equal】|||f(A)+f(B)||| 2.線形位相空間のコンパクトな凸集合は,その端点集合の凸結合の閉包となるというのは有名なKrein-Milmanの定理である。しかし,具体的な凸集合にたいして,その端点集合を決定し,見易い表示を与えることは一般に困難である。この研究では,作用素不等式の結果を応用して,ヒルベルト空間の正定値作用素Aに関連する凸集合{X【greater than or equal】0;X^2【less than or equal】A}の端点の特徴付けを確立した。
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