研究課題/領域番号 |
10640190
|
研究機関 | 大同工業大学 |
研究代表者 |
多田 俊政 大同工業大学, 工学部, 教授 (90105635)
|
研究分担者 |
中井 三留 名古屋工業大学, 名誉教授 (10022550)
成田 淳一郎 大同工業大学, 工学部, 講師 (30189211)
上田 英靖 大同工業大学, 工学部, 助教授 (20139968)
瀬川 重男 大同工業大学, 工学部, 教授 (80105634)
今井 英夫 大同工業大学, 工学部, 教授 (00075855)
|
キーワード | ブルロー空間 / 定常シュレーディンガー方程式 / ディリクレ問題 / 本質的に自己共役 / 擬有界調和関数 / 有限葉非有界被覆面 / 有理型関数の零-1-極集合 / リーマン面の点分離 |
研究概要 |
研究課題について、(1)マルチン理想境界、(2)ロイデン理想境界、(3)調和関数の境界挙動、(4)有理型関数の値分布論、(5)有界正則関数の点分離、の5つのテーマに関する研究を行い、以下の結果を得た。(1)多田・中井は、一般符号ラドン測度をポテンシャルとする定常シュレーディンガー方程式の連続超関数解の層がブルロー空間の時、一般化ディリクレ解の境界挙動から境界値関数の挙動を導く結果を得た。また、可積分関数空間の双対空間の単位球の弱^*コンパクト性を使って、ハルナック原理からハルナック不等式を導く証明を与えた。今井は、一般符号ラドン測度をポテンシャルとする定常シュレーディンガー方程式に関する孤立特異点に於けるピカール次元が正の時、その測度が擬カトー族であれば、シュレーディンガー作用素はその測度の全変分測度とルベーグ測度に関する2乗可積分関数空間上で本質的に自己共役であることを示した。(2)中井は、領域の境界点が全てグラフ点のとき、領域上の擬有界調和関数が可解境界値関数の一般化ディリクレ解として表示されることを示した。(3)瀬川は、グリーン関数が存在するリーマン面とそれを基底面とする有限葉非有界被覆面に対し、基底面上の正値調和関数の空間と被覆面上のそれとが一致する為の条件をマルチン境界の概念を用いて与えた。更に、基底面が単位円板の場合に、具体例を与えた。(4)上田は、ボレル恒等式の不可能性の議論を使って、全平面で非定数の有理型関数の零-1-極集合のある意味での希薄さについて検討した。(5)成田は、正則関数環がリーマン面の点を分離する為には、連結な境界を持ち閉包が増大してリーマン面に収束する様な相対コンパクト開集合の列が存在して、各開集合の境界のある近傍を正則関数環が分離することが、必要十分であるを示した。
|