本年度は主に次の二点について考えをまとめることができた。 二つの次元群が同じ状態空間をもつとき、それらはどれほど類似しているか。具体的に帰納的極限としての類縁性を明らかにする。(これはAT環といわれるC^☆環上に一径数自己同型群を構成する際に必要とされる問題で、更に自己同型写像の外部共役類の分類に関連している。)これについては状態空間が有限次元のとき(特に次元群が有限階数のとき)解決できた。 無限テンソル積C^+環上のシフト自己同型写像がローリンの性質をもつか。これは肯定的に解決できたが、その応用は未だ解決できていない。
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