研究概要 |
Dorofeev,Shertenev等は,ノイマン環MがI_n(2【less than or equal】n<∞)-型直和因子をもたなければ,その上の完全加法的な量子測度は全て有界であることを示し,I_n(n【greater than or equal】2)-型因子環上に非有界完全加法的量子測度を構成した。その手法はノイマン環の深い構造論を用いた複雑なものであった。筆者達は二番目の論文において簡単な手法のみを用いて,もしもノイマン環が連続な中心をもてば(たとえそれがI-型直和因子をもっても)その上の完全加法的量子測度は全て有界であることを示し更にノイマン環が非可換有限次元な直和因子を含まなければその上の完全加法的量子測度は常に有界であることを示した。ノイマン環が非可換有限次元ならば反例が存在することからこの結果は最良の結 ノイマン環の構造がよくわかっているのに対して、特異単調完備C^*-環は構造のよくわかっていない神秘的な研究対象であるが,竹之内-Dyer因子環(以下Aと表す)はジェネリック力学系より簡単に構成することができる特異単調完備因子環であって研究対象として最も近づき易いものの一つでありジェネリック力学系における一意性に鑑みて最も重要な研究対象の一つである。Aへの加群Rの自己同型写像群としての作用を理解することは,その因子環の性質をより深く理解するために基本的であると思われる。筆者達は,非換liftingの概念及び単調完備C^*-環のテンソル積の概念を用いて,より一般的に局所コンパクトアーベル群の単調完備C^*-環への作用に関して竹崎双対定理が成立する条件について調べ(一番目の論文),位相群R及びトーラス群の特異単調完備環Aへの連続的且つ竹崎双対原理が成立するような外部的な忠実な作用を構成した(三番目の論文)。 Dixmier-Schaefer-Zhangの定理の拡張として,筆者達は,非可換C^*-環上の点列順序連続線形汎関数の特徴付けを与え更にDixmier-Scaefer-Zhangの定理のより簡単な別証明も与えた(四番目の論文)。
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