研究概要 |
(V,x)を複素n次元の複素N次元ユークリッド空間内の孤立特異点とする。このときxを中心とする半径εの超球とこの孤立特異点との共通集合Mを考える。するとこのM上にはCR構造がVより自然に導かれるが逆にこのCR構造が孤立特異点Vをuniqueに定める(Rossiの定理)。倉西氏は、この事実に注目してCR構造の変形理論から孤立特異点の研究を創始した。このlineは、日本では、鹿大の宮嶋公夫氏、米国ではEpstein,Milson、カナダではBlandそして筆者に受けつがれて、n≧4のときは,完成した。以上は、1980年代の仕事だが今年度になってフランスのRuminによって定義された“Rumin complex"を我々の変形理論に使うことでn=3の場合が可能になった(シアトルのワシントン大学教授J.M.Leeの注意でRuminの評価式は、使えなかったので直接の計算で証明を完成)。この仕事は、現在書きあげている最中である。更に我々の直接の計算は、Hodge構造(孤立特異点の)にも有効であると思われる。
|