研究概要 |
(V,O)を複素コークリッド空間C^N内の正規孤立特異点とする。そしてS<(2N-1/ε)>(O)を、原点を中心とした半径εのC^N内の超球とする。このときVとS<(2N-1/ε)>(O)の共通集合M=V∩S<(2N-1/ε)>(O)を考える。このMは非特異、compactな実奇数次元のC^∞-多様体となるが更にCR構造と呼ばれる構造がはいる。このCR構造(M,T)は、逆に正規孤立特異点(V,O)をユニークに定める。それ故孤立特異点(V,O)の複素解析構造の変形理論をCR構造の変形理論から構築出来る。(この事実は、筆者の1978年の論文から最近のRumin complexに関んする論文で明らかにされた)。我々の方法の最大のメリットは、孤立特異点の変形理論(歴史的にはGrauert,Douaclyによって1970年頃に完成)に対し、微分幾何学的手法が導入されたことである。すなわちGrauertの手法では、そのversal familyの存在は、わかってもその性質は、中々理解は困難であったが我々の方法は、複素多様体論の延長ととらえ、その微分幾何的手法がある程度展開できるところに特徴がある。Rumin complexは、そのlineにあり発展中である。
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