研究概要 |
1.フィンスラー幾何的手法の研究において、曲面特徴の表現について研究した。フィンスラー空間においては、(α,β)-計量をもつフィンスラー空間についてさらに研究し、その幾何学的特徴に基づいた分類を調べた.その結果、Randers class,Kropina class及びMatsumoto classと呼ばれる分類が得られた。これらを利用すれば、新たな具体的(α,β)-計量をもつフィンスラー空間を構成することが出来るようになった。 2.定正値曲率をもつフィンスラー計量を研究した。1977年に島田らにより定曲率的Randers空間に関する一つの分類定理を挙げられた。Randers多様体(M,F)が定曲率的であるための必要十分条件は、その多様体RCG-空間あるいはRCT-空間となることである。RCG構造は定負値曲率をもつフィンスラー構造のモデルで、RCT構造は定正値曲率をもつフィンスラー構造のモデルであることは良く知られている。この研究では、定Gauss曲率K=1という性質をもつRCT構造の例を与えた。 3.物理や工学の応用分野で重要なEguchi-Oki-Matsumura方程式の研究を引き続き行い、新たな研究成果を得た。Eguchi-Oki-Matsumura方程式について、その定常解の性質を詳しく調べた。工学の分野で重要なKuramoto-Sivashinsky方程式について解析し、定常解の存在問題を研究した。詳しく解析した結果、Kuramoto-Sivashinsky方程式の単調な定常解の非存在性を明らかにした。同時に、関連する3階の常微分方程式についても、その単調解の非存在性も解明した。
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