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1999 年度 実績報告書

原始惑星系円盤における分子存在量の進化

研究課題

研究課題/領域番号 10640224
研究機関山形大学

研究代表者

梅林 豊治  山形大学, 総合情報処理センター, 助教授 (60183753)

キーワード原始惑星系円盤 / 星間分子 / 化学組成 / 反応ネットワーク / 星の形成 / 惑星形成
研究概要

原始星やTタウリ型星のような若い星の周りにあるガス円盤における化学組成を調べることは、惑星系の形成とその進化を明らかにする上できわめて重要である。今年度は、ガス円盤の化学組成と物理進化の関係を中心に研究を行い、次の結果を得た。
1.物質が中心星に降着している原始惑星系円盤において、宇宙線によるガスの電離に始まる化学反応によって、分子の存在量が変化する過程を調べた。その結果、分子が固体微粒子(ダスト)表面に吸着したり、表面から蒸発したりする過程が特に重要であり、分子の存在量はガスの温度、すなわち中心星から距離に強く依存することを明らかにした。さらに、この分子形成に必要な時間は100万年程度でガス円盤の寿命と同じ程度であり、ガス円盤の物理進化に強く依存していること、円盤内では自然に酸化物質(CO_2,N_2など)と還元物質(CH_4,NH_3など)が共存していることも分かった。
2.ガス円盤の化学組成は、その物理進化に強く依存している。そこで、ガスと磁場の結びつきを調べ、円盤内で磁気回転不安定性が起こる領域を求め、角運動量の輸送によってガスが中心星へ降着する割合を明らかにした。その結果、この磁気回転不安定性はガスの電離状態、すなわち化学進化に強く依存していること、ジュール損失によって磁場がガスに凍結できない結果、円盤の内側にはこの不安定性が起こらない領域が存在しているので、中心星への質量降着は非定常的に起こることを見いだした。また、相互の衝突でダストの半径が大きくなるとともに、赤道面に沈殿したガス円盤進化の後期段階でも、この安定な領域が存在していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Aikawa: "Evolution of Molecular Abundances in Proto-Planetary Disks with Accretion Flow"Astrophysical Journal. 519・2. 705-725 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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