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1999 年度 実績報告書

QSOの分光観測による高赤方偏移宇宙の大規模構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10640233
研究機関東海大学

研究代表者

比田井 昌英  東海大学, 文明研究所, 教授 (90173179)

研究分担者 村上 泉  核融合科学研究所, 研究企画情報センター, 助手 (30290919)
キーワードQSO(クエーサー) / 高分散分光スペクトル / 高赤方偏移宇宙 / 銀河間ガス / 宇宙の大規模構造 / 化学進化 / 数値シミュレーション / ライマンアルファの森
研究概要

昨年測定した3重QSO系Q1623+269の水素Lyαの森のデータを用いて、Lyα雲の単位赤方偏移当りの数密度dn(H)/dzについて解析を行った。3つのQSOともLyαの森の赤方偏移領域は約2.0から2.5であり、この領域で柱密度 N(H)を変数としてdn(H)/dzを求めた。まず、測定できたlog N(H) >12.5の全てのLyα雲について求めると、3QSO共にlog dn(H)/dzは2.5以上の値を示す。一方、log N(H) >13の場合に対して求めると、2.2から2.4になる。前者の場合は柱密度の低いLyαの森を含めて考えているので大きくなるのは当然の結果である。後者の結果はこれまで得られている高い柱密度の場合の結果と整合する。つまり、強い進化効果を示すものである。Lyαの森の各々のQSOにおける狭い赤方偏移区間のdn(H)/dzについても調べた。赤方偏移が小さくなると共に値が低くなる傾向が見られたが、赤方偏移領域が0.5程度しかないためはっきりとは確認できなかった。
理論的研究では、3次元大規模宇宙論的数値シミュレーションを行い、銀河間物質とその金属汚染の進化について調べた。シミュレーションは標準CDMモデルに基づいた初期密度揺らぎを与え、CDM粒子とガス流体の進化を追い、銀河形成にある条件下で起こし、この銀河での超新星爆発による銀河間物質の金属汚染について行った。
この結果、金属汚染はz=0の宇宙においては銀河周辺領域に局在化することがわかった。高赤方偏移宇宙においても局在化した金属量分布が得られた。Lyαの森として観測される柱密度を示す領域でも、CIVなどの金属吸収線を伴わない場合があるという観測結果を支持する結果を得た。吸収線合成のシミュレーションも行ったが、観測と比較するためにはより高い空間分解能が必要である事が判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Murakami,I.: "Large-scale structure in High-Redshift Universe"Subaru HDS Workshop proceedings. 59-74 (2000)

  • [文献書誌] Takada-Hidai,M.: "The Universe at the Redshif Z=1.5-2.0"Subaru HDS Workshop proceedings. 52-58 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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