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1998 年度 実績報告書

ブラックホールX線星特有のスペクトル状態変化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10640234
研究機関立教大学

研究代表者

蓬茨 霊運  立教大学, 理学部, 教授 (70062601)

研究分担者 柴崎 徳明  立教大学, 理学部, 教授 (50206124)
キーワードX線連星 / ブラックホール / X線新星 / 中性子星 / 降着円盤
研究概要

ブラックホール候補と考えられる9個のX線新星と中性子星と考えられる4個のX線新星をASCA衛星で観測した.得られた重要な結果の一つは、静穏期では中性子星新星のグループがブラックホール新星のグループより明るいことであった.X線強度は中性子星のグループはL〜10^<13>ergs/sであり、ブラックホールのグループではL=10^<10>-10^<13>ergs/sである.X線放射の原因はこれらの高密度天体に物質が降着するためである.特にブラックホールへ降着する物質はそのままブラックホールへ飲み込まれてしまいX線の放射は極端に弱くなる.中性子星は硬い表面をもつため降着する物質の重力エネルギーの大部分がX線に転換される.先の観測結果を良く説明できる.
上記の観測から推定される物質降着率は10^<12>-10^<13>g/sの程度である.この程度の降着率であっても降着円盤の外側(温度にして3×10^3-10^4Kの領域)は不安定であり、リミットサイクル的なX線強度の変動が起こり、観測されるような安定したX線放射は得られない.低温での吸収係数を丁寧に調べ、どの程度の降着率以下で円盤は安定に存在できるかを研究中である.
ブラックホールX線新星は新星爆発時期には軟X線が優勢なソフト状態と硬X線が優勢なハード状態が交互に観測される.これはブラックホールをとりまく降着円盤が幾何学的に薄く光学的に厚い状態と幾何学的に厚く光学的に薄い状態間の転移が起こることによると考えられている.この転移の機構を研究中である.最近の研究によると降着円盤では、差動回転による巻き込みで強い磁場ができることが分がってきた.この磁場の効果を粘性に取り入れ、通常のα-粘性とは異なる粘性を導入することにより新しい円盤モデルを計算中である.このモデルから上の転移を説明できる性質がでてくることを期待している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Reiun Hoshi: "Hydrogen Shell-Burning Models for RX J0925.7-4758" Publ.Astron.Soc.Japan. 50・5. 501-507 (1998)

  • [文献書誌] Kazumi Asai: "ASCA Observations of Transient X-Ray Sources in Quiescence" Publ.Astron.Soc.Japan. 50・6. 611-619 (1998)

  • [文献書誌] Toshio Murakami: "Accurate position of SGR 1900+14 by Burst and Changes in Pulse Period and Folded Pulse Profile with ASCA" Astrophys.J.(Letters). 510・2. L119-L122 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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