連星系あるいは銀河中心核にあるブラックホールは降着円盤に囲まれている。そしてこの降着円盤からジェットが吹き出ることもある。その観測例がSS433やブレーザーのジェットではないかと考えられている。今年度もSS433のジェットについて研究し、その構造について新たな知見を得ることができた。今年度は、また、ガンマ線バーストにみられる残光現象、特に光度曲線にみられる折れ曲がりをジェットモデルの観点から調べ、観測を説明することができた。主な研究成果を以下に列挙する。 SS433のジェット: ・ジェットの形状は、中心天体の近くではコニカル、遠方ではその断面積が距離に比例するようなものになっている。 ・中心天体から音速点までの距離は^〜9x10^∧(7)cmである。また、音速点の外側の領域から放射される高エネルギー光子の光度は^〜10^∧(39)erg/sである。 ガンマ線バーストの残光現象: ・残光の光度曲線にみられるいくつかの波長で同時に起こる折れ曲がりを再現することができた。 ・ジェットの開き角は0.14度、ジェットの軸と視線方向との角度は0.05度、そしてジェットのエネルギーは^〜9x10^∧(46)ergである。
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