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1998 年度 実績報告書

近赤外広域サーベイの計画作成

研究課題

研究課題/領域番号 10640239
研究機関国立天文台

研究代表者

中島 紀  国立天文台, 光学赤外線天文学観測システム研究系, 助手 (20300709)

研究分担者 川良 公明  東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (50292834)
キーワード褐色矮星 / クエーサー
研究概要

本年度は、国立天文台田村助教授のグループと共同で、分子雲中にある若い褐色矮星の研究を進めた。褐色矮星が分子雲中で、星のように、単独でも、また二重星の伴星としても生まれてることがこの研究から明らかになった。これは、どちらのタイプの褐色矮星の形成をも説明できる理論が必要であることを示している。これらの若い褐色矮星は、近赤外超過を基準として、同定された。従って若い褐色矮星も、星周円盤を持っているに違いない。
二重星の伴星としての褐色矮星に関して、さらに詳しく述べる。牡牛座分子雲の23の低光度YoungStellar bjects(YSOs)の周囲に伴星を探した。近赤外超過を基に、6個の伴星を検出した。これらのJバンド絶対等級は、9から13等であった。J光度をもとに、最新の進化トラックを使って質量を評価すると、すべてが若い褐色矮星であることがわかる主星と伴星のKsバンドでの等級差は、2から7等であり、普通のT Tauri二重星より、ずっと大きい。伴星が主星の星周円盤の分裂からできたことが示唆される。二重星の頻度は、22%でT Tauri型星と変わらないが低質量主系列星よりずっと高い。
褐色矮星が赤外天文衛星で、観測できる可能性を評価することを含めて、COSPARミーティングにおいて、褐色矮星のレビューを行った。ここでは、まず、褐色矮星の理解の現状をまとめ将来の研究への動機付けを行った。そしてIRIS,SIRTFといったスペースミッションが地上観測との対比において、どのような可能性を持つかを論じた。宇宙望遠鏡、宇宙干渉計による褐色矮星の伴星、巨大惑星の観測を考慮した。スペースミッションは、多くの低温褐色矮星を検出する可能性を持っている一方、地上観測は、高温褐色矮星と、僅かな低温褐色矮星を検出できるのみである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Tamura,Itoh,Oasa,Nakajima: "Isolated and companion young brown dwarfs in the Taurus and Chamaeleon molecular clouds" Science. 282. 1095-1097 (1998)

  • [文献書誌] Itoh,Tamura,Nakajima: "A near-infrared search for companions around very low-luminosity YSOs in Taurus" Astronomical Journal. (1999)

  • [文献書誌] Nakajima: "Future studies of brown dwarfs from space" Advances in Space Research. (1999)

  • [文献書誌] Kawara et al.: "ISO deep far-infrared survey in the Lockman Hole: A search for obscured object at high redshift.I.Observations" Astronomy & Astrophysics. 336. L9-L12 (198)

  • [文献書誌] Yoshii,Tsujimoto,Kawara: "Age Dating of a High-Redshift QSO B1422+231 at Z=3.62 and Its Cosmological Implications" Astrophysical Journal. 507. L113-L116 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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