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1999 年度 実績報告書

2500年前の宇宙線強度の年変動測定と宇宙線スペクトルの研究

研究課題

研究課題/領域番号 10640245
研究機関山形大学

研究代表者

櫻井 敬久  山形大学, 理学部, 教授 (60150265)

研究分担者 郡司 修一  山形大学, 理学部, 助教授 (70241685)
キーワード宇宙線 / C-14 / 太陽11年周期 / 古代
研究概要

本研究は、約2500年前の鳥海山噴火により埋没した古木年輪中の宇宙線生成核種である放射性炭素C-14の濃度を1年輪毎測定しその濃度年変動のプロファイルを求め、11年周期変動に着目して解析することにより古代の宇宙線スペクトルを調べることを目的としている。本研究によって得られた新たな知見等は以下のようである。
1.液体シンチレーション測定のための大量ベンゼン(10.5g)試料合成法を確立し、実験の系統誤差を0.11%以下にできた。2.極低バックグランド液体シンチレーションカウンターQuantulusによるC-14測定の長期安定性が5ケ月間調べられ、統計変動1σで安定していることが分かった。3.合成ベンゼン中の不純物によるクエンチングのC-14計数に与える影響は、開発したC-14ベータ線測定スペクトルの評価より0.2%以下であることが分かり測定精度0.2%の計測ができることが分かった。4.鳥海神代杉の計数率は約8cpm/gベンゼンであり、年輪試料の中心部、中間部、外周部の3点測定とStuiverの年代比較曲線より試料の歴史年代はB.C.485年±10年であった。5.この年代での11年にわたる1年毎のC-14濃度データは、まだ無く我々によって初めて8点得られた。平均値からの標準偏差は0.3%であり、最大変動は±0.5%であった。
これらから11年周期変動を議論することはできないが宇宙線強度変動が30%変動した場合、3ボックスモデルから0.3%の変動が期待できる。また、宇宙線のエネルギースペクトルは10GeV以下で太陽活動の変調を受けるため、古代宇宙線強度変動はC-14の濃度変動測定から推定可能であることが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] A.Suzuki: "Pulse Height Distributions of Brays in C-14 measurement with Liquid Scintillation Counting System Quantulus"IEEE Trans.NS. 46.No3. 302-305 (1999)

  • [文献書誌] H.Sakurai: "High Accurate C-14 Measurement of an Old Tree Rings in the Past 2500 years"26th Int.Cosmic Ray Conf.. 7. 425-428 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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