研究課題/領域番号 |
10640249
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
近藤 慶一 千葉大学, 理学部, 助教授 (60183042)
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研究分担者 |
木村 忠彦 千葉大学, 理学部, 教授 (70009603)
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キーワード | クォーク閉じ込め / モノポール / 位相的場の理論 / ストークスの定理 / アーベリアン・ドミナンス / ウイルソン・ループ / 量子色力学 |
研究概要 |
1.量子色力学におけるクォーク閉じ込めを説明するために、位相的場の理論の摂動的変形と呼ばれるゲージ理論の新しい再定式化を提唱した。位相的配位として磁気単極子を最大可換ゲージ固定項として取り込むと、次元低下によりゲージ固定項が非線形シグマ模型と同じ形の動力学的な項に変化し、グルーオンが質量を獲得することを示した。 2.非可換群のLie代数に値を持つ1形式に対する非可換ストークスの定理は、幾つかの型に分類できるが、クォーク閉じ込めを磁気単極子の凝縮による双対超伝導体の描像で理解するのに最も適切と思われるのがDiakonovとPetrovによって与えられたバージョンであるが、従来、群がSU(2)の場合にしか知られていなかった。実際の量子色力学に適用すべく、我々はSU(3)の場合に、更にはSU(N)の場合に拡張できることを示し、具体的な表示を与えることに成功した。これによって、クォーク閉じ込めの判定基準としてのウイルソンループを磁気単極子のカレントを用いて書き直すことに成功した。これは、クォーク閉じ込めにおける磁気単極子の効果を考える上で極めて重要である。実際、上述の再定式化の範囲で、クォーク閉じ込めを意味するウイルソンループの面積則を導出した。 3.非線形なゲージ固定である最大可換ゲージに繰り込み可能性を要求すると必然的に4体のゴースト相互作用が必要になる。これがゴーストと反ゴーストの凝縮を引き起こし、非対角のグルーオンとゴーストに質量を与えることを示した。これは、通常のヒッグス機構とは異なる質量生成の機構が量子色力学で起こっていることを示唆する。さらに、可換ゲージの下では低エネルギーでは可換成分が支配的な寄与をなすというアーベリアンドミナンスという現象が数値実験では知られているが、これに初めて理論的裏付けを与えた。
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