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1999 年度 実績報告書

ブラックホールのダイナモ効果と粒子加速

研究課題

研究課題/領域番号 10640257
研究機関名古屋大学

研究代表者

冨松 彰  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10034612)

キーワード高エネルギー天体現象 / 磁気流体 / ブラックホール物理 / 一般相対論
研究概要

前年度に引き続き、活動的銀河中心核などで観測される高エネルギー天体現象との関連において、ブラックホール磁気圏における電磁気現象の研究を進展させた。前年度においては、磁気拡散を考慮した一般相対論的な磁気流体力学を用いて、定常状態にあるブラックホールの周辺において磁場強度を増大させるダイナモ効果が有効に作用する条件を明らかにした。つまり、磁気圏中のプラズマ流体が光速に近い回転速度で運動している場合には、流体中の電荷密度の増大と対流電流の発生が引き金となって、ループ構造の磁力線形状が発展していくことを示すことができた。このダイナモ過程は磁気圏の光円柱面近くで起るフレアー的な磁気エネルギーの放出を意味しており、磁気圏における幅射強度の変化や粒子加速の機構に重要な影響を及ぼすことになる。
また、今年度においては、磁場中における天体の重力崩壊を考察し、ブラックホールの形成過程における電磁波のバースト的な放出を解析した。重力崩壊の動的な過程は、磁気圏における磁場強度を次第に大きくしていくとともに、電磁波の発生をもたらすことになる。本研究では、重力場と電磁場との直接的な相互作用に着目することによって、ブラックホールの形成に至るまでの重力場の時間変化を特徴付ける電磁波のバーストパターンの励起を明らかにすることができた。この結果は、ブラックホールの形成過程における重力場の振舞が電磁波パーストを通じて観測できることを意味している。本研究期間内では、ブラックホール磁気圏における磁場構造の時間発展が主に考察されてきた。今後、このような電磁気的過程がプラズマ粒子の運動に及ぼす効果を解析し、ジェット状噴出流の生成の問題をさらに検討していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] A.Tomimatsu: "Relativistic Dynamos in Magnetospheres of Rotating Compact Objects"Astrophysical Journal. 528・2(発表予定). (2000)

  • [文献書誌] A.Tomimatsu: "Black Holes and High Energy Astrophysics"Universal Academy Press,Inc.. 13 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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