研究概要 |
不安定核の構造に関しては2つの研究を行った。第1のものは中性子の魔法数N=8の破れの原因についての探究で,^<11>Be核についてハロー構造,クラスター構造に起因する変形,という従来から研究されて来た2つの効果に加えて,中性子の対相関の効果を調べた。その結果,対相関が重要な原因の1つを為していることを確認した。第2のものは中性子の魔法数N=20の破れについての研究で,^<32>Mgについて調べ基底状態は中性子の4粒子4空孔の構造を有するとの結論を得た。計算結果は基底状態から第一励起状態への電気4重極遷移など重要な実験値を再現した。不安定核の反応に関しては,中性子ドリップラインの^<19>Bについて研究した。この核の構造は陽子数は2ケと3ケのクラスターが結合した様な密度分布を有するというのが理論的研究の結果である。この理論予言を実験的に検証する手段として破壊反応を用いることが有効であることを示した。陽子数が2と3のフラグメントの同勝測定が特に重要である。
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