研究概要 |
(1)有効核力としてGogny力を用いてHeからMgまでの偶数陽子数の原子核の構造を研究した。結合エネルギーと核半径の良好な再現を得た。変形の性質はパリティの射影を行うことによって大きく変化する場合があることを見出した。 (2)従来の球形のガウス波束のかわりに,x,y,z方向で広がりの異る変形ガウス波束を用いたAMD計算を行った。Neアイソトープに比べてMgアイソトープにおいて四重極変形が著しく増大することを見出した。この結果は実験値をも良く再現する。 (3)中性子数が魔法数N=20である^<32>Mgの変形度に対するエネルギー曲線を計算した。中性子が2粒子-2空孔の配位がエネルギー的に低くなるが,4粒子-4空孔の配位のエネルギーも1〜2MeVの範囲でエネルギーが高いに過ぎないことが見出された。パリティ射影と角運動量射影を行った計算である。 (4)クラスター構造を有する^<19>B核の破砕反応でHeとLiのアイソトープの同時計測の断面積が大きくなることがクラスター構造の判定に重要であるが,この特色は30MeV/A近傍の入射エネルギーの場合が最も顕著であることを示した。
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