研究課題/領域番号 |
10640269
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小川 泉 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20294142)
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研究分担者 |
味村 周平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10273575)
阪口 篤志 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70205730)
岸本 忠史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90134808)
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キーワード | 暗黒物質 / ニュートリノ質量 / WIMP / 二重ベータ崩壊 |
研究概要 |
我々は現在フッ化カルシウム結晶を用いて、暗黒物質候補WIMPの探索・ニュートリノ質量の検証を目的とした^<48>Caの二重ベータ崩壊の研究を行っており、世界最高水準の検出感度をもつにいたっている。これらの研究を更に発展させていくために、統計数を増やす、すなわち結晶を増量する必要があり、結果として実験装置の大型化が不可欠となる。そこで本研究では予備的な実験装置を製作し、将来の大型研究装置製作に必用な検出器の様々な特性(特にバックグラウンド)を調べることを目的としている。昨年度は純粋CaF_2結晶(CaF_2(pure))を含む液体シンチレータと5インチ光電子増倍管からなる検出器を設計・製作した。 本年度は昨年度に製作した検出器を用いて引き続きテスト実験を行った。液体シンチレータ中のwavelength shifterの濃度と集光効率の関係を測定し、最適なパラメータを求めた。またいくつかの大きさの異なるCaF_2(pure)結晶を用いて、液体シンチレータとの相対的な体積比による集光効率の変化を測定した。 また、バックグラウンドの特性を探るため、いくつかの測定も行った。特に過去に使用していない検出器材料についてはその内部に含まれる自然放射能の種類・量については未知のため、超低バックグラウンドゲルマニウム検出器を用いて微量放射能の測定を行った。 現在はこれらの知見に基づき改良を行った予備的な装置を用いて、信号波形情報に基づく最適な雑音信号識別法の確立を目指して実験を進めている。また、同時にシミュレーションを利用し将来の大型研究装置のデザインも進めている。
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