• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

電子陽電子衝突でのボソン対生成に対する輻射補正

研究課題

研究課題/領域番号 10640282
研究機関工学院大学

研究代表者

加藤 潔  工学院大学, 工学部, 教授 (50152707)

研究分担者 中澤 宣也  工学院大学, 工学部, 教授 (50100342)
キーワード高エネルギー物理学 / 素粒子の標準模型 / 摂動論の自動計算 / 輻射補正 / 電子陽電子衝突 / 新粒子探索
研究概要

電子陽電子衝突における4フェルミオン生成過程における標準模型、さらには超対称性模型等での1ループ輻射補正を求めることが本研究の目標である。現在進行中のLEP-II実験における重要課題の1つであるWボソンの物理の詳細な理解にはこの計算が不可欠である。この結果があれば、Wボソン対生成において、標準模型からの微少なずれがあったとき、それが未知の粒子に起因するものか、標準模型での補正に過ぎないのかを判断できる。
これらの目標に向けて,以下の成果をあげた。計算規模は、最終目標より小規模であるが、1つの実 W と2つのフェルミオン生成過程の輻射補正を計算した。この計算には2つの意義がある。1つは、開発したループライブラリや自動計算システムの検証である。より重要なもう1つは、因子化した方法からのずれを実際にみることである。もし、Wボソン対を作って、それを崩壊させるという2段階で計算した輻射補正で十分ならば、本研究の意義は著しく低下する。結果は因子化した計算と比べ、1〜2%程度のずれを得た。この程度のずれはLEP-IIの精度では無視できないので、完全な計算が必要なことが推定される。もう1つの成果は、大規模計算を検証するための仕掛けをシステムに導入したことである。通常のファインマン・タフトゲージを一般化した非線型ゲージを組み込むことにより、ゲージ不変性を使用して計算の自己点検ができるようにした。この新しいシステムの有効性は,各種の2体-2体1ループ計算を異なるゲージパラメタで反復して結果が一致することから確認された。最終的な目標である,実用的なジェネレータ作成の段階までは至らなかったが,1年程度以内にはそれも完了する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K. Kato et al.: "Implementation of the Non-Linear Gauge into GRACE"Proceedings of AIHEN 99. 印刷中 (2000)

  • [文献書誌] F. Yuasa et al.: "Automatic Computation of Cross Sections in HEP"Supplement of Progress of Theoretical Physics. 印刷中 (2000)

  • [文献書誌] Y. Kurihara et al.: "QED Radiative Corrections to the Non-Annihilation Processes Using the Structure Function and Parton Shower"Progress of Theoretical Physics. (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi