研究概要 |
初年度の目標は、次の三点であった。 1. 超対称性標準模型による輻射補性の枠組を整える。 2. 現在の電弱精密実験結果の解析を行ない、超対称性標準模型パラメータの許容領域を確定する。 3. 最重要過程l^+l^-→W^+W^-過程の解析を、完成さる。 上記の各々の課題について、下記の成果が得られた。 1. 超対称性標準模型に現れるCP非保存の位相を含む、完全なLagrangianを確定し、それを用いた輻射補性の計算を開始した。我々のLagrangianは、投稿論文には馴染まないものの、多くの研究者に利用されると期待されるので、Internet上で公開する予定。 2. 現在の電弱精密実験結果の解析をほぼ完成させ、超対称性標準模型パラメータの許容領域を確定した。 中間報告を米国Fermi研究所での国際会議Physics at Run II:Workshop on Supersymmetry/Higgs:Summary Meeting(19-21/Nov/1998)で発表し、その報告Constraints on the MSUGRA parameter space from electroweak precision data(by G.C.Cho,K.Hagiwara,C.Kao,R.Sza-lapski)が国際会議Proceedingsに掲載される。投稿論文を準備中。 3. 最重要過程l^+l^-→W^+W^-過程の解析に関しては、次の成果が得られた。先ずBRS和則を確立し、結果をNuclear Physics B誌に投稿し掲載された。クォーク、レプトンの超対称性パートナーの寄与の計算を完成させ、現在投稿論文を準備中。ゲージボソン、ヒッグスボソンの超対称性パートナーの寄与の計算を遂行中で、国際会議での発表を準備中。 上記の研究成果、中間報告を、米国のIllinois大学、Wisconsin大学、及び欧州素粒子研究所(CERN)で発表した。
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