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1998 年度 実績報告書

2次元ウィグナー結晶のマイクロ波吸収の理論

研究課題

研究課題/領域番号 10640307
研究機関大阪大学

研究代表者

斎藤 基彦  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80012441)

キーワードウィグナー結晶 / 2次元電子系 / プラズマ共鳴 / リプロン散乱 / 電子局在 / ウィグナーフォノン
研究概要

1. 液体He3上の準2次元的電子系のプラズマ共鳴
最近,河野らは液体He3上の準2次元的電子系のプラズマ共鳴吸収を極低温(0.4mKまで)で測定し,共鳴線の位置はあまり変わらず線幅が温度にほぼ比例することを見出した(プレプリント).われわれは有限温度の経路積分法によって得られた線形ac-伝動度の表式より出発して,2次元電子系がウィグナー結晶を作り,液体Heの表面波(リプロン)と相互作用しているとして,プラズマ共鳴の線幅を計算した.その際,ウィグナー結晶の縦波フォノン(プラズモン)の分散は自己無撞着に定めた.その結果,線幅は温度に比例し,実験と良い一致を見た.この温度依存性は散乱相手のリプロンの数に比例するためである.この結果は近日物理学会で発表の予定である.
2. 2次元ウィグナー結晶のフォノンの分散関係に対する不純物散乱の影響
Si-MOSなどの半導体へテロ接合の界面に存在する2次元電子系は,不純物の影響を受け局在-非局在転移を起こすことがクラフチェンコらによって指摘されている.われわれは以前,電子がウィグナー結晶状態のとき,結晶のフォノンの分散関係は長波長の極限でエネルギーギャップを持ち,このため電子が局在状態になることを経路積分法による計算によって指摘した.しかしながら,ギャップは強い温度依存性を持つという不思議な結果であった.そこでこの結論正しいかどうかを見るために,別の方法(グリーン関数法)を用いて再評価を試みた.温度グリーン関数法による結果は経路積分法の結果と同じである事がわかった.絶対零度については予備的な結果が得られているが,現在解析中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Saitoh: "Theory of AC conductivity of 2D Wigner solids" Physica. B 249-251. 788-791 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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