研究課題/領域番号 |
10640316
|
研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
国府田 隆夫 日本女子大学, 理学部, 教授 (50010715)
|
研究分担者 |
竹田 研爾 JSR株式会社, 筑波研究所, 主幹研究員
大たか 一雄 千葉大学, 工学部, 教授 (40010946)
|
キーワード | フォトニック結晶 / 光物性 / コロイド微粒子集合体 / フォトニック・バンド効果 / 2次元結晶 |
研究概要 |
水の自然蒸発によって水中に懸濁したコロイド微粒子間に働く引カ的な相互作用を利用して、数μmからサブμmの広い粒径のラテックス・コロイド粒子を、ガラスなどの透明誘電体基盤上に自己組織的に配列させ、広い範囲にわたる規則的な六方細密構造をもつ2次元結晶を作製した。 その粒子配列構造を光学顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡、レーザー光回折パターンによって詳しく評価した。 斜入射光に対する偏光透過スペクトルを広い波長領域にわたって測定し、そのスぺクトル構造から、規則的に配列した透明誘電体微小球よりなる擬2次元フォトニック結晶のフォトニック・バンド構造を実験的に始めて決定した。 他方、ベクトル球面波法による理論的モデルに基づいて、その理論的フォトニック・バンド構造を精密に計算した。実験結果と理論的計算結果は、任意的な調整パラメーターを導入することなく、定量的にきわめてよく一致することを確認した。 また、発光性の有機色素を添加したラテックス粒子を混合した2次元配列膜を作製し、走査型光近接場顕微鏡を用いて、規則的に配列したラテックス微拉子の間を伝搬するフォト二ック・バンド・モードの特性を実験的に調べた。 その結果は理論モデルによる計算結果と半定量的に一致する。さらに、ミリ波電磁波領域で透明なシリコン窒化物の球状粒子を直鎖状に並べた擬1次元フォトニック結晶を作製し、偏光したミリ波に対する透過スペクトルを測定し、誘電体球よりなる擬1次元フォトニック結晶のフォトニック・バンド効果について実験的知見を得た。
|