研究課題/領域番号 |
10640328
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
五十嵐 潤一 群馬大学, 工学部, 教授 (20127179)
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研究分担者 |
高橋 学 群馬大学, 工学部, 助教授 (50250816)
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キーワード | 遷移金属酸化物 / 局所的電子相関 / 光電子放出 / 軌道秩序 / ヤーンテラー歪み / 異常X線散乱 / K吸収端 / pre-edge |
研究概要 |
1.LaMnO_3にたいして、ab-initioなバンド計算を用いて共鳴X線散乱スペクトルの計算を行った。K-吸収端近傍のエネルギー領域において、Mn-3d軌道秩序に対応して禁制スポットに散乱強度があらわれるが、これにはMnの4p状態が関与しており、その空間的にひろがった性質のため、周りの酸素の電子状態に敏感である。詳しい計算により、実験結果をよく再現するとともに、このスペクトルは直接の軌道秩序の反映というよりもヤーンテラー歪みによる酸素の影響を反映していることを明らかにした。 2.上記と同様のab-initio計算を、K-吸収端近傍から10eVくらい下のエネルギー領域(pre-edge)に対して行い、上記の場合の1/100くらいの強度であるが、禁制スポットに対応する散乱強度を得た。このpre-edgeスペクトルを生じる機構として双極子遷移による機構と四重極遷移による機構の二つの可能性がある。詳しい計算に基づき、後者の機構は前者よりも一桁小さい強度しか与えないことを明らかにした。前者の機構は、Mnのp対称状態が関与していることを意味しているが、pre-edgeに対応する状態は周りのMn-3d状態との混成を通して生じており、間接的ではあるが、Mn-3d軌道秩序の反映であることが明らかになった。対応するpre-edge領域での実験はまだ行われておらず、実験が望まれる。 3.三体散乱理論はもともとのファデエフ方程式を解くことの困難さから、局所近似がよく用いられる。局所近似を系統的に改良する目的で、ハートレーフォック基底状態から三粒子励起状態を構成する場合に、運動量空間でのサンプリングを行う方法を提唱した。また、この方法の有効性を明らかにするため、二次元ハバード模型の反強磁性状態に適用して、モンテカルロ計算の結果とよく一致する結果を見い出した。
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