一次元におけるスピンと軌道が結合した系の臨界的性質について、密度行列繰り込み群を用いた研究を行なった。昨年度に研究したSU(4)という高い対称性を持ったシステムから、対称性を下げるに従ってどのように分岐していくが、軌道とスピンの結合の様子を明らかにしていくことになる。まず、磁場によって起きるSU(4)からSU(2)へのクロスオーバーの様子を明らかにした。つぎに、SU(4)からSU(2)xSU(2)への低下の様子も密度行列繰り込み群を用いて明らかにした。そのボゾン化法により相図の解明については、大阪大学の川上教授のグループと共同研究をした。ボゾン化法については、パリ大学のAzaria氏たち、UBC大学のAffleck教授たちも相前後して研究に取り組み、我々の計算と合わせてその全体像が明らかになった。 二次元でスピンギャップと磁化プラトーを示す直交ダイマーの系については、その三次元構造の影響を調べるとともに、量子転送行列法を用いて、有限温度の帯磁率、比熱を調べた。また、磁化プラトーの超格子構造について調べ、1/3および1/4のプラトーではストライプ構造が出来ていることを明らかにした。
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