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1998 年度 実績報告書

エアロジェル中の液体ヘリウム3の超流動

研究課題

研究課題/領域番号 10640335
研究機関東京工業大学

研究代表者

松本 宏一  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10219496)

研究分担者 奥田 雄一  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50135670)
キーワード超流動 / 液体ヘリウム / 超音波 / エアロジェル
研究概要

1. エアロジエェルの合成
本年度は始めにシリカエアロジェルの合成に着手した。一般的な合成法であるテトラメトキシレンをメタノールで希釈し、塩基性触媒を用い加水分解重合させる方法でゲルを作製した。できた湿潤ゲルを超臨界乾燥する事でエアロジェルを作製した。現在のところ、空孔率94%程度のエアロジェルの合成に成功している。しかし、ヘリウム3の超流動を研究するには十分に空孔率が上がってはいない。その主な原因は乾燥時の収縮であり、シリカのネットワークの骨格の強化が収縮率減少に必要であることが明らかになった。現在も空孔率をより高めるための工夫が行われている。具体的にはテトラメトキシレンの2〜3重体から合成を出発する2段階合成法を用いることが考えられる。
2. 超音波測定装置の作製と超音波測定
本年度は第1及び第0音波の測定装置を作製した。現有の超音波パルス発生装置を利用し、精密な音速測定を可能にする直交検波を行うための超音波レシーバを備品費より購入して超音波精密測定装置を作製した。また、データ蓄積、解析のためにパーソナルコンピュータを購入した。
つぎに、電気信号と超音波の変換を行うトランスデューサを購入、セルを作製した。これらの超音波測定装置の性能評価とエアロジェル中の音波の伝播の概要を理解するために、液体ヘリウム4中に実際に合成したエアロジェルを浸し10MHzの周波数において超音波測定の実験を行った。その結果、エアロジェル中の液体ヘリウムを伝播する超音波は音速が純粋なヘリウムのものより減少し、エアロジェルによる散乱によりかなり大きな減衰を示すことが明らかになった。しかし、作製した測定装置は超音波信号を観測する十分な感度を有することが、ここまでの実験で明らかになり、ヘリウム3を用いた実験のための基礎的なデータを得ることができた。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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